ryokamizuhara’s diary

とある書店員の雑記。人間関係の悩みや、書評、映画、そしてBach。5歳女児の父。下手っぴギターが趣味。

無伴奏チェロ組曲 第6番 BWV1012


J.S.バッハ:無伴奏チェロ組曲(全曲)(期間生産限定盤)

 

バッハの無伴奏と言えば、「無伴奏ヴァイオリンソナタとパルティータ」と並び、この無伴奏チェロ組曲です。

第1番から第6番まであり、それぞれ1曲目にプレリュードが付く組曲形式です。

第1番のプレリュードはおそらく誰もが聴いた事のある名曲です。

 

 

ですが、意外とこの第1番のプレリュード以外は聴いた事がない人が大半なんじゃないかなと思います。

なんせ第1番から順番に聴いていこうとすると第2番で重苦しい短調が来てしまい挫折してしまった人もいるかもしれません。

でも、ちょっと待ってください!最後に待っているんですよ、超名曲が!

 

という事で、今回は私の超お勧めの第6番をご紹介します。

是非多くの方に聴いていただきたい!!

曲の構成は、

1.プレリュード

2.アルマンド

3.クーラント

4.サラバンド

5.ガヴォットⅠ/Ⅱ

6.ジー

の6曲。

 

第6番の印象としては、全体的に明るくて軽快、そして美しい旋律

 

1曲目のプレリュード、3連符を連打するメロディでとてもノリが良いです。

ついつい口ずさんでしまいます。

個人的には第1番のプレリュードより好きです。

 

2曲目のアルマンドはゆったりしたテンポで弾かれる事が多いですが、まぁ、とにかくメロディが美しい

 

3曲目のクーラントは軽快な跳ねるようなリズム。

 

4曲目のサラバンドもとにかく美しくて、聴きやすいメロディ。

星が夜空にキラキラ光っているそんなイメージがします(個人的な妄想)

第6番の中でもおすすめの1曲です。

 

5番のガヴォットも軽快で、キャッチーなメロディ。

Ⅰを演奏してからⅡに移り最後にもう一度Ⅰの演奏をします。

Ⅱのバグパイプっぽい演奏が特徴的ですね。

 

6番のジーグは速いテンポで軽快に〆てくれます。

 

第6番はとにかく聴いていて明るく元気な気持ちにさせてくれる一曲です。

ちょっと疲れてる時とかにも良いかもしれません。

 

あと無伴奏ヴァイオリンと同じく、この無伴奏チェロ組曲クラシックギターで良く弾かれます。

ギターでの演奏も良い!!

ギターお弾きの方はチャレンジしてみてはいかがでしょうか?

いくつか動画を貼っておきます。

 

プレリュード

世界のギタリスト山下和仁。力強い演奏です。後半の細かい符割の部分も完璧・・・。

ついつい見入ってしまいます。

 

アルマンド

この方の演奏はとにかく綺麗です。

 

サラバンド

ギター下手っぴな私でもなんとか弾けるこの曲。

この方の演奏を参考にさせていただきました。

 

ガヴォット

Cesar Amaroさんの演奏はめちゃ味があります。

Amaroさんのほかの演奏も良いですねぇ。

 

いかがだったでしょうか?

バッハを知らない方にも是非聴いて頂きたい、超おすすめな一曲です!

デス・ストランディング 発売せまる・・・!


【PS4】DEATH STRANDING【早期購入特典】アバター(ねんどろいどルーデンス)/PlayStation4ダイナミックテーマ/ゲーム内アイテム(封入)【Amazon.co.jp限定】オリジナルPS4テーマ(配信)

 

いよいよPS4のゲーム「デス・ストランディング」が2019年11月8日に発売されます!

メタルギアでお馴染みの「小島秀夫」監督がコナミを退社して独立してから約4年・・・。

新しいゲームを作っている噂はちょくちょく聞こえてきていましたが、ゲームの内容が良くわからない。

そこへ来て今年2019年のTGS東京ゲームショウ)で一気に情報解禁されゲームの概要が明らかになってきました。

 

 

動画をみると、どうやら”配達人”サムとなり、分断されてしまった北米のネットワークを繋ぎなおしていくというストーリーの様です。

なぜ北米大陸が分断されてしまったのか、”デス・ストランディングとは何なのか、生と死の世界、ストランド家?・・・、いやぁとにかく謎が多そうです。

 

実はPS4持っていなかった・・・のですが、どうしてもこのゲームはやらねばならぬのでPS4購入いたしました!

そしてamazonにてソフトも予約完了!

後は発売日を待つだけです。

思い起こせば、かつてPS3も「メタルギア・ソリッド4」の為に買った記憶が。

 

小島監督のPR活動なども盛り上がってきており、期待が高まります。

キャラクターのモデルに、ノーマン・リーダスマッツ・ミケルセン起用されている点で映画好きの人でも楽しめるのではないでしょうか。

マッツ×小島監督の対談もyoutubeにあがってます。

 

普段ほとんどゲームをやらなくなっていたので、ちゃんとクリアできるか不安です(笑) 

ベリーイージーモードでやるかな・・・。

 

余談

発売日までゲームがないので、ずっとやりたかったアンチャーテッド4」を中古でGET。

このシリーズは2と3をクリアしておりまして、大好きなゲームなのですが、いかんせんPS4を持っていなかったので・・・。 

映画好きな人にはお勧めのゲーム。

トム・ホランド主演で映画化もされますね。

今のうちにちょっとゲームに慣れておこう。

 
 

グリーンブック 最高に楽しいロードムービー!しかし・・・突きつけられる人種差別


グリーンブック(吹替版)

 

 

2019年第91回アカデミー賞では作品賞、脚本賞受賞!

マハーシャラ・アリ助演男優賞受賞、ヴィゴ・モーテンセンも主演男優賞ノミネートという話題作。

レンタル、吹替にて観賞しました。

 

グリーンブック(2019)

監督:ピーター・ファレリー

脚本:ニック・ヴァレロンガ、ブライアン・ヘインズ、カリーピーター・ファレリー

出演:ヴィゴ・モーテンセン

   マハーシャラ・アリ

   リンダ・カーデリーニ 他

 

 

感想

観る前はアカデミー賞取った、なおかつ人種差別を扱ってるから、まぁ重い話なのかな・・・、と思っていましたが、そこはさすが、「メリーに首ったけ」をはじめコメディを撮ってきたピーター・ファレリー監督!

 

すげぇ楽しい!めちゃくちゃお勧めしたい1本!!

 

流石にテーマがテーマだけにシリアスで、思わず考えてしまう場面はあるのですが、観終わった後は、「楽しかった!!」「観てよかった!!」と素直に思えました。

そして何より実話ベースだというのも驚きで、脚本のニック・ヴァレロンガは、主役の「トニー・ヴァレロンガ」の息子であり、他の作品でも監督や脚本をしているとの事。

 

ファレリー兄弟作品は、結構お下品な表現とかがありますけど、このグリーンブックはそういった場面も無く、誰が観ても楽しめる作品だと思います。

 

ちなみにファレリー兄弟監督作品で個人的に好きなのはこちら。

是非吹替で観てほしい・・・(草尾毅堀内賢雄

 

とにかく楽しいロードムービー

1962年アメリカ。

ストーリーは、とあるクラブで働いている「トニー・ヴァレロンガ」ヴィゴ・モーテンセン)がクラブの改装に伴い職を失い、職探しをする所から始まります。

トニーはがさつで腕っぷしの強い男でギャンブル好き。そして大食い(笑)

ある日、仕事の紹介されて面接に行くのですが、そこにいたのは黒人のピアニスト「”ドクター”・ドン・シャーリ」マハーシャラ・アリ)。

これからクリスマスまでの約2か月間ライブツアーをする為の用心棒兼運転手を探していたのだった。

 

こうして2人の車での旅が始まる。

ヴィゴ・モーテンセン 

そして何よりも一番良かったのは、主役の「トニー・”リップ”・ヴァレロンガ」を演じたヴィゴ・モーテンセン

とにかくヴィゴの演技がこの映画のトーンを明るくしてくれています。

 

この作品を観るまでは、寡黙なガンマンとか、寡黙な剣士みたいなクールでカッコいい。イメージでした。

https://m.media-amazon.com/images/M/MV5BMjA4MDM4Njg4N15BMl5BanBnXkFtZTcwNDc3NDc4MQ@@._V1_.jpg

https://m.media-amazon.com/images/M/MV5BMDdkMGYxMmItM2UxZC00MjE2LWI3MjktYTVkZmU0ZTYyNDBmL2ltYWdlXkEyXkFqcGdeQXVyNjY1OTEzMzc@._V1_.jpg

出典:Ratings and Reviews for New Movies and TV Shows - IMDb

 

それがグリーンブックでは、とにかくよくしゃべって、表情豊か!!

めちゃめちゃ食べる!そしてお腹も出てる(笑)

すげぇ人間臭い。

https://m.media-amazon.com/images/M/MV5BNzFhNjkwODMtYjFlYi00YzkxLThiYWUtMDc5NTM0MGEyYmM4XkEyXkFqcGdeQXVyNDk2MjQ4Mzk@._V1_.jpg

https://m.media-amazon.com/images/M/MV5BMmRlY2I1OTEtMDFlMC00YjZiLTg0ZmItZWI0YjM1ZTFhZTRiXkEyXkFqcGdeQXVyNTI4MjkxMDE@._V1_.jpg

出典:Ratings and Reviews for New Movies and TV Shows - IMDb

 

なんかイメージが反転してしまいましたが、それでもどこかカッコイイ。

この映画を観てヴィゴ・モーテンセンが大好きになりましたね~。

もちろんマハーシャラ・アリも良かったのですが、ヴィゴとの対比で更に際立った感はありました。

 

2人の会話や、やり取りをみてると思わず笑ってしまう場面がたくさんあります。

ケンタッキー州での件はやっぱ笑っちゃいます。

 

あと吹替の大塚芳忠さん最高です。

 

人種や立場の違い

ドン・シャーリーは黒人でありながらも、ピアニストとして成功して裕福な生活をしているが家族はいない。

一方、白人のトニーは貧しいながらも家族や親戚などに囲まれて楽しそうな暮らし。

学があり上品なドンに対し、ガサツで学がないトニー。

物語の序盤は、黒人であるドンの方が白人のトニーを雇うという構図の中、ドンの方が立場が強く描かれています。 

 

しかし南部へのツアーを進めるにつれ、黒人差別の現実が突きつけられます。

「グリーンブック」という黒人が泊まれるホテルが載っているガイドブックを頼りに宿を探さなければならないし。

一歩ホテルを出れば白人から暴力を受け、食事も一緒にできず、トイレも黒人用がある(しかも人が使うとはとても思えない)。

成功したドン・シャーリーでさえそうした扱いを受けなければなりません。

はたして普通の黒人はどんな差別を受けていたのでしょうか・・・。

 

そんな中で二人の距離は徐々に近づき、立場や人種を超えて”人と人”として繋がりが生まれていきます。

 

理想の夫婦

トニーとドンの関係がメインなんですが、この映画で個人的にとてもいいなと思ったのは、トニーと奥さんのドロレス(リンダ・カーデリーニ)の関係です。

子供も二人いてとにかく幸せそうなんですよね。

仕事が決まって2か月帰ってこれなくなった時のドロレスさみしがり様や、「手紙は苦手だ」と言いつつ頑張って手紙を書くトニー、それを読んで喜ぶドロレス・・・。

何というか、至る所に夫婦の愛の強さが現れていて、観てるこっちもなんだかほっこり幸せになります。

 

こんな夫婦になれたらいいなぁ。

今度手紙でも書いてみるか(笑)

 

あと、リンダ・カーデリーニさんはMCUホークアイことクリント・バートンの妻「ローラ・バートン」も演じられてますね。

ベスト奥さん賞受賞です。

 

まとめ

というわけで、さすがアカデミー作品賞を獲っただけあり、老若男女問わず間違いなく楽しめる作品!あと、音楽が好きな方にも。

 

観終わったあと、幸せな気持ちになれる映画。

時期的にクリスマスに観ても良いかもしれません。

まだ観てない方はおすすめです!

 

インタビュー動画もありましたので乗っけときます。

これ見るとヴィゴは痩せてるので、役作りでだいぶ太らせた感じですね。

俳優ってすごい。

 

 

それいけ!アンパンマン ばいきんまんと3ばいパンチ


それいけ!アンパンマン ばいきんまんと3ばいパンチ [DVD]

 

娘が3歳の頃よく観ていたのがばいきんまんと3ばいパンチ」

映画第8作の「それいけ!アンパンマン 空とぶ絵本とガラスの靴」の同時上映作品。

 

あらすじ

ばいきん星から、ばいきんまんにそっくりな「アカキンマン」と「アオキンマン」がやってきます。

三人そろった「ばいきんトリオ」は力をあわせてアンパンマンを倒そうとしますが・・・。

 

とにかくハチャメチャで楽しい作品。

特に劇中に流れる歌「ぼくらはヒーロー」の「ばいきんトリオ」の替え歌バージョンがあるのですが、これがノリが良い!!

 

 
バイキントリオ3ばいパンチ

 

アニメ映像と合わせて観るとさらに楽しいのですが、youtubeには動画がなかった・・・

 

アカキンマン&アオキンマン

見た目はそっくりな3人ですが、性格は結構違いがあります。

アカキンマン(声:山寺宏一)がツッコミとするならば、アオキンマン(声:福留功男)はボケ。

で、やっぱりばいきんまんはリーダーでまとめ役でしょうか。あんまりまとまらないけど(笑)

 

そして、みんなドキンちゃんが大好き(ホラーマンも含む)、というのもなんだか可愛いですね。完全に女王様だなぁ(笑)

 

メロンパンナちゃんとロールパンナ

出番はあまりないのですが、この二人も出てきます。

物語の冒頭では、ばいきんまんに操られた悪の姿で登場し、アンパンマンを追い詰めますが、メロンパンナのお陰で間一髪で我に返ります。

途中、ばいきんトリオのせいで行方不明になってしまったメロンパンナちゃんをみんなで探すのですが、最後は気絶してしまっていたメロンパンナちゃんをロールパンナがさりげなく助けて去っていきます。

なかなかお姉ちゃんに会えないメロンパンナちゃんがなんとも切ない。

 

娘もロールパンナを「おねえちゃん」と呼んでおります(笑)

 

まとめ

というわけで、見ていてとにかく楽しくて、笑える。

最後はちょっとほっこり。

あと、時間が30分ぐらいなので、ちょっと車で出かける時なんかにもちょうど良い長さ。

ばいきんトリオの歌を一緒に歌ってみて下さい。

ばいきんまんが好きなお子さんにはおすすめ!

ヘビロテ間違いなしです!

 

2歳~3歳ぐらいには「ねじねじ」シリーズ良いですね。

 

ジョーカー[JOKER] こうしてカリスマは生まれた *ネタバレあり


Joker (Original Motion Picture Soundtrack)

 

さぁ、2019年10月4日にDCコミック代表するヴィランを題材にした映画「ジョーカー」が公開されました!!

予告の完成度の高さ、そして各方面で大絶賛されていたので、とても楽しみにしていた作品です。

という事で期待̝高めで観て参りました!

 

*このレビューは思いっきりネタバレがありますので、まだ観てない方はお気を付けください。そして、これから観に行く方は、影響を受けたと言われる作品「タクシードライバー」と「キング・オブ・コメディ」も観ないほうが楽しめるかもしれません。

 

youtu.be

 

JOKER(2019)

監督:トッド・フィリップス

出演:ホアキン・フェニックス

   ロバート・デ・ニーロ

   ザジー・ビーツ 他

 

 

感想

正直な感想・・・「うーん・・・評価が難しい」です。

大絶賛の声が多いのですが、私は思う事が色々とあって素直に「面白かった!」とはならなかったんですね・・・。

 

ただ、ホアキン・フェニックスはすごかった!!

 正に怪演!演技としては文句なしの100億点!!

特にラスト30分、「アーサー」(ホアキン・フェニックス)がジョーカーへと変わっていく姿はカッコイイとすら思いました。

やっと来た!待ってました!って感じですね。

そして煙草もいいですねぇ・・・。世間では吸わないのが当たり前になってきましたが、やっぱ煙草は絵になるなぁ。

映画を観てジョーカー的な人が増えるよりも、喫煙者が増えそうな気がしますね(笑)

 

オマージュ?リメイク?

公開前から「ジョーカー」はある作品に影響を受けていると言われていました。

それはマーティン・スコセッシ監督&ロバート・デ・ニーロ主演のタクシードライバー「キング・オブ・コメディ」です。

私は一応予習のつもりでこの2作品を観てから行ったのですが・・・、それがちょっと失敗だったかもしれません。

 

というのも、ジョーカーを劇場で観ていてびっくり、設定やストーリーがほぼこの2作品を完全にベースにしているといっても過言ではありませんでした。

アーサーがコメディアンになりたい男で、憧れのコメディアン「マレー・フランクリン」(ロバート・デ・ニーロ)との関係は「キング・オブ・コメディ」そのままだし、妄想しがちなのもそう。

徐々に狂気を帯びる様や、銃を入手してからの行動、しぐさ(頭に指を当てて銃を撃つ)とか、独り言の場面とかは「タクシードライバー」そのまんまなんですよね。

なので、特に開始から1時間30分ぐらいは、オマージュというよりリメイクと言ってもいいくらいかもしれません・・・。

 

ジョーカーを観てるのに、「あ、ここタクシードライバーね」「これはキング・オブ・コメディのあの場面ね」みたいになってしまい、”ジョーカー”として純粋に楽しめなかったのが残念でした。

もっとオリジナルで作っても「ホアキン」ジョーカーならヒットしたと思うけどなぁ。

 

アーサーに共感できるか否か?

この作品の評価に影響を与えそうな要素として、主人公「アーサー」に共感できるかどうかがかなり大きいと思います。

私は正直それほど共感できなかった・・・、なぜあの心優しいアーサーが、笑いながら人を平気で殺せるジョーカーと化したかが。

 

確かに、観ていてアーサーは可哀想には思いました、何も悪くないのに暴行を受け、仕事場でもうまくいかず、子供を笑わせようとしただけなのに、その子の母親からは咎められ、母親の介護をし、その母親からは嘘をつかれ、父親かもしれないと思い会いに行った「トーマス・ウェイン」からは殴られ・・・

 

それでもですよ?それで殺人鬼になってしまう理由が良くわからなかった。

個人的な理由で、自分を騙した(義理の)母を殺すとか、ウェイン家に復讐するまではギリギリあったとしても、ジョーカーみたいになるものでしょうか?

映画を観ている大半の人達なら、”そう”はならないと思うんですよね。

 

私にとってはジョーカーへの変化が突然すぎてちょっと付いて行けず、残念でした。

あれ?急にジョーカー来た!!って感じでした。

 

共感させるのに必要だったもの

例えばこんな設定。

アーサーが急に笑い出してしまう病気を持っていましたが、ただ何となく不気味、周りから変な目で見られてしまう要因となっていましたが、ここに一つプラスしてみます。

 

アーサーが”脳内”で殺人をしている時に笑ってしまう

 

おそらく皆さんも気に入らなかったり、ムカつく人がいた時に脳内でボコボコにした経験があると思います。

特にアーサーは妄想を良くするキャラでしたので、彼が笑い出した時は「実は頭の中ではこんな事を考えていた」とすれば恐怖倍増。

そして同時に、アーサーにはもともとジョーカーになる素質があったとも思えます。

優しいアーサーでなく、アーサーはもとから狂っていたのだと納得できる。

 

ジョーカーへと変わるきっかけ

アーサーがジョーカーへと変わる”決定的”な出来事って何だっただろうか?母親に関する事実を知った所でしょうか。

確かに色んな事が積み重なった結果ですが、アーサーが30~40年生きてきたモノを覆してしまう程だったのか?

もっと若いころの多感な時期の方が、世の中に対する怒りや、愛されないことに対しての悲しみや、解決できないモヤモヤ、欲求不満が渦巻いていたのでは無いだろうか?と考えてしまいます。

それを乗り越えて、コメディアン(人を笑わせる事)を目指していた優しき男が急に狂ってしまう程だったのだろうか・・・?

 

私はアーサーを観てて、逆にジョーカーにはならないで欲しかったですね。

優しいままでいてくれよ、と。

 

ですので、個人的にはもっとアーサーが”我慢して、我慢して、耐えて、耐えて・・・それでも我慢できなかった”という描写が欲しかったですね。

溜めて溜めて、からの大爆発のカタルシス

例えばマレーをもっともっと嫌な奴ににして、前半からムカつきを溜めて最後のテレビ番組の場面につなげるとか。(ジャンゴのドクター・キング・シュルツ的な)

アーサーの怒りの対象というのがどうも分散されすぎている感じがあるので、アーサーに対する敵の存在がもう少しハッキリしてると共感しやすかったかもなぁ・・・

 

と、私の妄想です。失礼しました。

 

「アーサー」から「ジョーカー」へ

色々書きましたが、赤いスーツを纏った後は、まさしく「ジョーカー」でした。

階段での踊りや、煙草の吸い方、もはやアーサーではない堂々とした振る舞い。

いやぁ、まさしくジョーカー、カッコ良かった!!

https://m.media-amazon.com/images/M/MV5BZWNjMTA1ZmMtMGVlNy00MDA0LWJmYmMtYmZmZDhmMDA5ZTlhXkEyXkFqcGdeQXVyMTkxNjUyNQ@@._V1_SY1000_SX1500_AL_.jpg

https://m.media-amazon.com/images/M/MV5BMDRjZDk1ODItYzFiZC00MWFhLTlhOTYtZGQ1MmMxYzFhNjRmXkEyXkFqcGdeQXVyNzE0MDgyMTQ@._V1_.jpg

出典:Ratings and Reviews for New Movies and TV Shows - IMDb

 

いやぁ、良いですねぇ。

 

まとめ

というわけで、アーサーにはちょっと共感できなかったですが、それでも見ごたえ充分。

また、ジョーカー側から、後のバットマンである「ブルース・ウェイン達を見るという構図も面白い。アーサーが基本良い奴だから、ウェイン家は嫌な奴に見えちゃいますね・・・。

ヒース・レジャー」のジョーカーは狂気に満ちていて素晴らしかったですがが、ホアキン・ジョーカーはスタイリッシュでカッコいい。

 

次のジョーカー役はきっと相当なプレッシャーを受けるでしょう(笑)

 

まだ観てない人は、なんの情報も入れずに、まっさらな状態で観てほしい。

色々考えさせられる一本でした。

ジョーカー関連コミックも読みたい

 

ソフトも発売されました!

キング・オブ・コメディ 果たしてその男の夢は叶ったのか?


キング・オブ・コメディ 製作30周年記念版 [AmazonDVDコレクション] [Blu-ray]

 

2019年10月にDCコミック原作の「ジョーカー」が公開されました。

この作品は事前の情報で、マーティン・スコセッシ監督&ロバート・デ・ニーロ主演の「キング・オブ・コメディ」「タクシー・ドライバー」に影響を受けたと言われていました。

実はまだ観ていない作品でしたので、この機会にまず「キング・オブ・コメディ」を鑑賞。

youtu.be

キング・オブ・コメディ(1982)

監督:マーティン・スコセッシ

出演:ロバート・デ・ニーロ

   ジェリー・ルイス 他

 

笑えない?コメディ

主人公である「ルパート・パプキン」ロバート・デ・ニーロ)はコメディアンになりたい男。年齢は34歳、もう若くもありませんし、恐らく無職。

母親と一緒に暮らしているようです。

見た目もあまりパッとしない感じで、どこかちょっと抜けている雰囲気。(もちろん役柄の話で、デニーロはカッコいい!)

まぁ、今で言うニートでしょうか(^_^;)

 

この映画、タイトル的にすごく笑えそうですが、観ると解ります・・・

ほぼ笑えません(笑)

ある種の滑稽さ、というのはあるのですが、どちらかといううとサスペンスに近いかもしれません。

 

憧れの存在ジェリー

物語は、超売れっ子のコメディアン「ジェリー・ラングフォード」ジェリー・ルイス)の番組「ジェリー・ラングフォード・ショー」のオープニングで幕を開けます。

 

番組終了後、楽屋口ではジェリーのファン達が出待ちしています。そんな中、ルパートがファンを掻き分けやってきます。

ジェリーがドアを開けてでて、ファンにもみくちゃにされながら車へ向かいます。

この時、ルパートは勝手にボディガード的な振る舞いをしてジェリーに近付き、おまけに車に一緒に乗り込んでしまいます。

 

ここでまず、ハッとするのが、ルパートの服装がジェリーとそっくりな点。

完全に真似しました、といわんばかりにそっくり。

ルパートがジェリーに心酔しているのが伝わってきます。

 

そして、車内でやや強引に自分を売り込み、困ったジェリーは「電話をかけてきなさい」と事務所の連絡先を教えてしまいます。

 

現実と妄想の間で

さて、ジェリーの事務所の連絡先を入手したルパートですが、ここからは”ルパートの妄想””現実”が入り乱れます。

観ているうちに、「あれ?これは妄想?現実?」とわからなくなってきます。

(ま、大体ルパートにとって、うまくいってる時は妄想、旨くいっていない時は現実なのですが。)

それがラストシーンを不思議な感じにさせています。果たして現実だったのか、と。

 

この感覚は、私の中ではクリストファー・ノーラン監督インセプションに通ずるものがありますね。


インセプション [WB COLLECTION][AmazonDVDコレクション] [DVD]

インセプションのラストは最高ですので是非観て頂きたい作品。

 

行動力だけはピカイチ

ルパートはどこか滑稽で、何やってもうまくいかないのですが、とにかく行動力だけはある、そして失敗してもめげない。(おひとよしではあるんですが)

映画を観ててそれだけは尊敬に値すると思いました。

 

例えば冒頭の車に乗り込んじゃうところもそうだし、ジェリーの事務所に電話をして、ダメなら直接事務所に行くし、事務所にいないと言われれば、そのまま帰ってくるまで待つと言うし。

勝手に別荘にはいくし、挙句の果てには・・・

 

そして、ルパートの部屋は番組のセットよろしくソファーが並べられており、ジェリーなどの等身大スタンディなども置かれている。結構しっかりとした録音機材もあったりする。

 

正直これだけ熱意と行動力があったら成功してるんじゃないかなと思いますが、よほど面白くないか、ツイてなかったか(-_-;)

 

ルパートの夢は叶ったのか?

色々あって番組に出演できたルパート。

その後もデビューして有名になった所で映画は終わります。

果たしてキング・オブ・コメディとなれたのか?

 

しかしこの映画、ルパートがうまくいっている時はすべて妄想。

成功か否か・・・それは私達観客に委ねられています。

 

あなたはどう思いますか?

 

パンプキンじゃねぇ・・・パプキンだ!


おおきなかぼちゃ (主婦の友はじめてブック―おはなしシリーズ)

 

アド・アストラ 父を探しに宇宙へ。そして、感情を取り戻す心の旅。


アド・アストラ (吹替版)


www.foxmovies-jp.com

youtu.be

 

2019年9月20日「アド・アストラ」公開!!

さっそく観てまいりました!

今年は「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」に続いて、ブラッド・ピット2作目。

ryokamizuhara.hatenablog.com

 

監督:ジェームズ・グレイ

出演:ブラッド・ピット

   トミー・リー・ジョーンズ

   ドナルド・サザーランド

   リブ・タイラー

   ルース・ネッガ 他

 

ジェームズ・グレイ監督作品は残念ながら観たことがありません。

「ロスト・シティZ」など撮られているようですね。今度観てみよう。

感想

観る前は、アクションシーンやいわゆる宇宙もの特有の盛り上がりというか、ノリみたいなものがもっとあると思っていたのですが、とにかく静かな作品でした。

主人公は「ロイ・マクブライド」(ブラッド・ピット)。

とあるミッションで太陽系の果てへ向かい、そのまま死んだと思われていた父親「クリフォード・マクブライド」(トミー・リー・ジョーンズが、実は生きているかもしれない・・・。

父と同じく宇宙飛行士となっていた息子であるロイが父親探索の極秘任務をうけ宇宙へと向かいます。

ストーリー自体はそんなに凝ったものではありませんでしたが、この映画のすごいところは、なんといっても臨場感!

映画を観た、というより体験した!に近いです。

 

まるでその場にいるかのような臨場感

映画が始まって、地上から宇宙にまで伸びた”宇宙アンテナ”的な場所(宇宙空間)で作業をはじめるロイ・マクブライド

その時突然”サージ”と呼ばれる電磁嵐のような現象に見舞われ、アンテナの外で作業中だったロイは地球へと落下してしまいます(命綱ないの?というツッコミがありますが・・・、それは後で考察してみます)

その一連のシーンで宇宙から地上をのぞき込むようなカットがあるのですが、ここが観ている自分が本当に落ちてしまいそうになるくらい・・・。

とにかく宇宙の描写が凄く綺麗で、目を引かれます。

 

月での戦闘シーンもすごかった。1/6の重力のため少しフワッとした感じや、音の伝わり具合もリアルに感じます(もちろん、行った事がないので実際はわかりませんが)

 後半宇宙空間のシーンでは、この感じは何だろう?、どこかで同じ気持ちになった事があるなぁ・・・と思ったのですが、それは・・・

 

プラネタリウム!!

 

あの静かな中で星を見てる感じ・・・、いいですよね。

 

静かであるがゆえの緊張感

この映画の特徴のひとつとして、全編通してほとんどBGMがありません。あってもストリングス系の白玉で和音を鳴らす感じの音楽で、ほとんどメロディもありません。

鳴っているのは環境音とか、機械の音などだけ。

ポップコーンとか食べたり、ドリンクをズズっとしたりするのさえ躊躇してしてしまうくらい静か・・・。

 

しかし、それが逆に映画の世界に自分が入ってしまったかのような臨場感や緊張感を生み出していて良かったです。

 

感情を取り戻す心の旅

ストーリーは、”父親を見つけるために息子が宇宙へと向かう”というお話なのですが、

”父親を見つける”事よりも、その過程でおこる”主人公ロイの心の変化”がメインテーマと思われます。

そして、親子の関係や、周りの人とどのように接すればよいのか、そういう事を考えさせられる話です。

 

 ロイは初めは何事にも動じない冷静沈着な人間として描かれています。

最初の地球へ落ちる場面でも、一切慌てることもなくパラシュートを開き生還します。

心拍数も普段と変わりません。

また、妻である「ヘレン」(リブ・タイラー)が別れを告げて、家から出ていく時にさえ取り乱すこともなく平常(を装っている)です。

 

周りから見ればスーパーマンのような男ですが、実際のところは、感情を出さない様、押し殺して生きていて、また他人との関係をうまく築けずにいます。

長い間そのように生きているからか、感情を失ってしまったかの様な状態です。

 

そんなロイが父を探す旅の過程で、事故や事件、戦闘、またはミッションの目的、父親に関する真実を知ったりする中で、ひとつ、ひとつの感情、喜怒哀楽を取り戻していきます。

そして地球への帰還した時のあの表情がすべてを語っています。

親に愛されたい

あくまで任務という形で父親を探す事になった(利用された)ロイですが、心の中では若くして生き別れた父親に会いたい、そして同じように宇宙飛行士となった事を褒めてもらいたい、認められたいと思ったはずです。

自分と母親を置いて、いつ戻ってこれるかもわからないミッションで宇宙へと行ってしまった父親にとって自分は愛される存在だと確認したかったはずです。

 

だからあの場面、ロイが流したたった一筋の涙、言葉にはしないけど”本当はわかってたよ”という声が聞こえてきそうです。

 

リアルだけどリアルじゃない神話のような世界

 この映画の不思議な点として、宇宙の地球や月などの星の描写や、宇宙船はリアルに表現されていると思うんですが、ところどころ「ん?それありえないんじゃない?」と思う場面がちょこちょこあります。

 

例えば最初のロイが地球へ落ちてしまうシーンで、普通は安全対策でせめて命綱くらいつけるよなぁ・・・とか。

火星から海王星へ向かう宇宙船内でトラブルとは言えクルーを殺してしまう事になるとか。

父親は父親でミッションに参加した船員を自分のエゴの為に全員殺してしまっていたりとか。

あげくの果てには、父親の宇宙船から自分の船へ戻る際に、結構な距離があり、なおかつ大量の石や岩が飛び交う中、”鉄の板一枚を盾にして生身で宇宙空間を飛んで行く”とか。

 

それで”突然現実味のない描写がされるこの「感覚」”って何だろうなぁ、と思い返してみると、昔読んだギリシア神話に近いと感じました。

 


完訳 ギリシア・ローマ神話 上下合本版 (角川文庫)

ギリシア神話では、神様や英雄が平気で人を殺してしまったりとか、もちろん神話なので突拍子もない描写がされたりします。

私の読んだ時の記憶では、ファンタジーというよりは、人間のエゴや醜さとかが浮き彫りにされていて、それが逆に教訓になったりします。

また、英語などの語源になっていたり、星座や天体の名前もギリシア神話(またはローマ神話)にちなんでつけられていたりしますね。

 

つまり、この映画「アド・アストラ」はおそらくは全体を通して神話的なストーリーを意識して作られているんではないかと推測します。

主人公ロイは神話で言う所の”英雄”として扱われていて、宇宙の彼方にいる父(自分より偉大だと思われる存在、神と言っても良いかもしれない)に会いに行く。

しかし、ギリシア神話のように、人も殺せばエゴの塊のような神。

そして故郷へと戻ってくる長い旅・・・そんなお話でした。

 

救いとしては、ロイが最後感情を取り戻し、人とちゃんと向き合う事の大事さに気付いた事ですね。

 

まとめ

雰囲気的には、2001年宇宙の旅、あとほぼブラピが出続けているのと、テンション的に、サム・ロックウェルのほぼ一人芝居で話が進む、私が個人的に大好きな作品月に囚われた男などの作品に近いSFです。

好き嫌いは別れそうな感じはありますが、この2作品がお好きな方なら絶対好きなはず!

 


2001年宇宙の旅 [WB COLLECTION][AmazonDVDコレクション] [DVD]

 


月に囚われた男 10周年アニバーサリー・エディション 4K ULTRA HD & ブルーレイセット [4K ULTRA HD + Blu-ray]

 

スペース・カウボーイ

余談ですが、今回「トミー・リー・ジョーンズ」、「ドナルド・サザーランド」が出ているという事で、2人が出演していた宇宙ものである「スペース・カウボーイ」を事前に鑑賞しました。(クリント・イーストウッド監督・主演で2000年公開)

この作品自体は楽しくて、宇宙を再び目指すおじいちゃん達がカッコイイ!

それで、映画のラストはトミー演じるホークの印象的な姿で幕を閉じます。

 

もしかしたらアド・アストラと何か繋がりがあるのかな、と思ったのですが、

ストーリー的にも、時代的にもまったく関係なし!でした(笑)

でも面白い作品なので、観てない人には是非観てほしい1本です。

 


スペース カウボーイ 特別版 [DVD]

 

ブラピの演技もとても良かった!!

この作品は全編ブラピの演技で支えられている、そんな感じがします。

そしてヘルメット越しに魅せる絶妙な表情・・・。

 

とにかく、この映画は劇場で”体験”していただきたい!!

 

 


ホームスター クラシック HOMESTAR CLASSIC メタリックブラック 家庭用 プラネタリウム