ヴァイオリンと通奏低音のためのソナタ ト長調 BWV1021
最近の一番のお気に入りの曲が、
「ヴァイオリンと通奏低音のためのソナタ ト短調 BWV1021」です。
バッハはとにかく多作でした。
BWV(バッハ作品主題目録番号)でも「1080」ありますし、何曲かセットで一つの作品もありますので、そう考えると1500曲~?位はありそうですね・・・
今で言うCDアルバムだと1枚10曲として、少なくとも100枚以上です(汗)
実ははバッハの全曲集というのもありまして、いつかは欲しいと思っていますが、お値段が・・・ 。
The Complete Bach Edition (CD:153+DVD:1)
こちらはCD153枚組み(笑)
なので正直聴けてない曲が山ほどあるのですが、新しい曲に出合うたびうれしくなります。
「ヴァイオリンと通奏低音のためのソナタ ト短調 BWV1021」はタワレコにCDを探しに行った時に見つけた、
「J.S.バッハ 室内楽曲集/ムジカ・アンティクヮ・ケルン」
に収録されていた1曲です。
(しかし、タワレコさんですらクラシックCDの取扱はもうほぼなくなってしまいましたね・・・)
奏者は違う方ですが、買ったCDと印象はかなり近いです。
この曲は世間一般での認知度はあまりないと思いますが・・・、
紛れもなく名曲中の名曲です!!
この曲は「教会ソナタ」と言われる4曲構成で、曲のテンポが「緩急緩急」となっています。
1.Adagio
2.Vivace
3.Largo
4.Presto
「通奏低音」というのは何かというといわゆる伴奏の一種といって良いでしょうか。
チェンバロとチェロなどで共通の低音部の旋律を弾き、チェンバロはその上に和音を乗せて演奏します。
チェンバロはある程度自由にメロディを演奏しますので、奏者によって演奏が違います。
なので、この曲はヴァイオリン、チェンバロ、チェロ(ヴィオラ・ダ・ガンバ)のトリオになります。
一曲目のアダージョはとにかくヴァイオリンが美しく、通奏低音の旋律も良いですねぇ。
前半(A)と後半(B)の2部構成でそれぞれを2回ずつ繰り返します。(A×2 B×2)
この作りはバッハの殆んどの「組曲」や「パルティータ」といわれる曲で採用されている形式です。(G線上のアリアこと「管弦楽組曲3番のAir」などもそうですね)
安定感抜群で、私はこの形式が好きですね。
前半部は長調で、後半部は短調になり、最後は長調へ戻ってきます。
2回目の繰り返しには奏者のアドリブが入る事が多く、曲が単調になりません。
また、最初はヴァイオリンに耳を傾け、繰り返し時には低音部を聴く、みたいな事もできますし、何度聴いても飽きません。
まぁ、とにかく理屈抜きで、良いなぁ~と思う曲ですね。
2曲目のビバーチェは軽快なリズムで駆け出したくなるような曲。
3曲目のラルゴは一転して短調です。
重苦しい感じで始まりますが、バイオリンの旋律が感動的な曲です。
溜めて溜めて、次の曲で一気に解放される感じです。
そして4曲目のプレスト。
出だしからとにかく軽やかに、そしてラストまで一気に駆け抜けて行きます。
このキレの良さがたまりません。
ちなみにこの曲と同じ低音部を持つ、
「フルート、ヴァイオリンと通奏低音のためのソナタト長調 BWV1038」
という曲もあります。
低音部の旋律は共通ですが、上に乗る旋律が違います。
ただ、こちらの2曲はバッハの真作かどうか疑わしいとされています。
私は好きですけどね。
聞き比べてみるのも面白いと思います。
Bach Violin Sonatas Bwv 1014-1019, Bwv 1021, Bwv 1023 (2 Cd)