ryokamizuhara’s diary

とある書店員の雑記。人間関係の悩みや、書評、映画、そしてBach。5歳女児の父。下手っぴギターが趣味。

キング・オブ・コメディ 果たしてその男の夢は叶ったのか?


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2019年10月にDCコミック原作の「ジョーカー」が公開されました。

この作品は事前の情報で、マーティン・スコセッシ監督&ロバート・デ・ニーロ主演の「キング・オブ・コメディ」「タクシー・ドライバー」に影響を受けたと言われていました。

実はまだ観ていない作品でしたので、この機会にまず「キング・オブ・コメディ」を鑑賞。

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キング・オブ・コメディ(1982)

監督:マーティン・スコセッシ

出演:ロバート・デ・ニーロ

   ジェリー・ルイス 他

 

笑えない?コメディ

主人公である「ルパート・パプキン」ロバート・デ・ニーロ)はコメディアンになりたい男。年齢は34歳、もう若くもありませんし、恐らく無職。

母親と一緒に暮らしているようです。

見た目もあまりパッとしない感じで、どこかちょっと抜けている雰囲気。(もちろん役柄の話で、デニーロはカッコいい!)

まぁ、今で言うニートでしょうか(^_^;)

 

この映画、タイトル的にすごく笑えそうですが、観ると解ります・・・

ほぼ笑えません(笑)

ある種の滑稽さ、というのはあるのですが、どちらかといううとサスペンスに近いかもしれません。

 

憧れの存在ジェリー

物語は、超売れっ子のコメディアン「ジェリー・ラングフォード」ジェリー・ルイス)の番組「ジェリー・ラングフォード・ショー」のオープニングで幕を開けます。

 

番組終了後、楽屋口ではジェリーのファン達が出待ちしています。そんな中、ルパートがファンを掻き分けやってきます。

ジェリーがドアを開けてでて、ファンにもみくちゃにされながら車へ向かいます。

この時、ルパートは勝手にボディガード的な振る舞いをしてジェリーに近付き、おまけに車に一緒に乗り込んでしまいます。

 

ここでまず、ハッとするのが、ルパートの服装がジェリーとそっくりな点。

完全に真似しました、といわんばかりにそっくり。

ルパートがジェリーに心酔しているのが伝わってきます。

 

そして、車内でやや強引に自分を売り込み、困ったジェリーは「電話をかけてきなさい」と事務所の連絡先を教えてしまいます。

 

現実と妄想の間で

さて、ジェリーの事務所の連絡先を入手したルパートですが、ここからは”ルパートの妄想””現実”が入り乱れます。

観ているうちに、「あれ?これは妄想?現実?」とわからなくなってきます。

(ま、大体ルパートにとって、うまくいってる時は妄想、旨くいっていない時は現実なのですが。)

それがラストシーンを不思議な感じにさせています。果たして現実だったのか、と。

 

この感覚は、私の中ではクリストファー・ノーラン監督インセプションに通ずるものがありますね。


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インセプションのラストは最高ですので是非観て頂きたい作品。

 

行動力だけはピカイチ

ルパートはどこか滑稽で、何やってもうまくいかないのですが、とにかく行動力だけはある、そして失敗してもめげない。(おひとよしではあるんですが)

映画を観ててそれだけは尊敬に値すると思いました。

 

例えば冒頭の車に乗り込んじゃうところもそうだし、ジェリーの事務所に電話をして、ダメなら直接事務所に行くし、事務所にいないと言われれば、そのまま帰ってくるまで待つと言うし。

勝手に別荘にはいくし、挙句の果てには・・・

 

そして、ルパートの部屋は番組のセットよろしくソファーが並べられており、ジェリーなどの等身大スタンディなども置かれている。結構しっかりとした録音機材もあったりする。

 

正直これだけ熱意と行動力があったら成功してるんじゃないかなと思いますが、よほど面白くないか、ツイてなかったか(-_-;)

 

ルパートの夢は叶ったのか?

色々あって番組に出演できたルパート。

その後もデビューして有名になった所で映画は終わります。

果たしてキング・オブ・コメディとなれたのか?

 

しかしこの映画、ルパートがうまくいっている時はすべて妄想。

成功か否か・・・それは私達観客に委ねられています。

 

あなたはどう思いますか?

 

パンプキンじゃねぇ・・・パプキンだ!


おおきなかぼちゃ (主婦の友はじめてブック―おはなしシリーズ)