ryokamizuhara’s diary

とある書店員の雑記。人間関係の悩みや、書評、映画、そしてBach。4歳女児の父。下手っぴギターが趣味。

ジョーカー[JOKER] こうしてカリスマは生まれた *ネタバレあり


Joker (Original Motion Picture Soundtrack)

 

さぁ、2019年10月4日にDCコミック代表するヴィランを題材にした映画「ジョーカー」が公開されました!!

予告の完成度の高さ、そして各方面で大絶賛されていたので、とても楽しみにしていた作品です。

という事で期待̝高めで観て参りました!

 

*このレビューは思いっきりネタバレがありますので、まだ観てない方はお気を付けください。そして、これから観に行く方は、影響を受けたと言われる作品「タクシードライバー」と「キング・オブ・コメディ」も観ないほうが楽しめるかもしれません。

 

youtu.be

 

JOKER(2019)

監督:トッド・フィリップス

出演:ホアキン・フェニックス

   ロバート・デ・ニーロ

   ザジー・ビーツ 他

 

 

感想

正直な感想・・・「うーん・・・評価が難しい」です。

大絶賛の声が多いのですが、私は思う事が色々とあって素直に「面白かった!」とはならなかったんですね・・・。

 

ただ、ホアキン・フェニックスはすごかった!!

 正に怪演!演技としては文句なしの100億点!!

特にラスト30分、「アーサー」(ホアキン・フェニックス)がジョーカーへと変わっていく姿はカッコイイとすら思いました。

やっと来た!待ってました!って感じですね。

そして煙草もいいですねぇ・・・。世間では吸わないのが当たり前になってきましたが、やっぱ煙草は絵になるなぁ。

映画を観てジョーカー的な人が増えるよりも、喫煙者が増えそうな気がしますね(笑)

 

オマージュ?リメイク?

公開前から「ジョーカー」はある作品に影響を受けていると言われていました。

それはマーティン・スコセッシ監督&ロバート・デ・ニーロ主演のタクシードライバー「キング・オブ・コメディ」です。

私は一応予習のつもりでこの2作品を観てから行ったのですが・・・、それがちょっと失敗だったかもしれません。

 

というのも、ジョーカーを劇場で観ていてびっくり、設定やストーリーがほぼこの2作品を完全にベースにしているといっても過言ではありませんでした。

アーサーがコメディアンになりたい男で、憧れのコメディアン「マレー・フランクリン」(ロバート・デ・ニーロ)との関係は「キング・オブ・コメディ」そのままだし、妄想しがちなのもそう。

徐々に狂気を帯びる様や、銃を入手してからの行動、しぐさ(頭に指を当てて銃を撃つ)とか、独り言の場面とかは「タクシードライバー」そのまんまなんですよね。

なので、特に開始から1時間30分ぐらいは、オマージュというよりリメイクと言ってもいいくらいかもしれません・・・。

 

ジョーカーを観てるのに、「あ、ここタクシードライバーね」「これはキング・オブ・コメディのあの場面ね」みたいになってしまい、”ジョーカー”として純粋に楽しめなかったのが残念でした。

もっとオリジナルで作っても「ホアキン」ジョーカーならヒットしたと思うけどなぁ。

 

アーサーに共感できるか否か?

この作品の評価に影響を与えそうな要素として、主人公「アーサー」に共感できるかどうかがかなり大きいと思います。

私は正直それほど共感できなかった・・・、なぜあの心優しいアーサーが、笑いながら人を平気で殺せるジョーカーと化したかが。

 

確かに、観ていてアーサーは可哀想には思いました、何も悪くないのに暴行を受け、仕事場でもうまくいかず、子供を笑わせようとしただけなのに、その子の母親からは咎められ、母親の介護をし、その母親からは嘘をつかれ、父親かもしれないと思い会いに行った「トーマス・ウェイン」からは殴られ・・・

 

それでもですよ?それで殺人鬼になってしまう理由が良くわからなかった。

個人的な理由で、自分を騙した(義理の)母を殺すとか、ウェイン家に復讐するまではギリギリあったとしても、ジョーカーみたいになるものでしょうか?

映画を観ている大半の人達なら、”そう”はならないと思うんですよね。

 

私にとってはジョーカーへの変化が突然すぎてちょっと付いて行けず、残念でした。

あれ?急にジョーカー来た!!って感じでした。

 

共感させるのに必要だったもの

例えばこんな設定。

アーサーが急に笑い出してしまう病気を持っていましたが、ただ何となく不気味、周りから変な目で見られてしまう要因となっていましたが、ここに一つプラスしてみます。

 

アーサーが”脳内”で殺人をしている時に笑ってしまう

 

おそらく皆さんも気に入らなかったり、ムカつく人がいた時に脳内でボコボコにした経験があると思います。

特にアーサーは妄想を良くするキャラでしたので、彼が笑い出した時は「実は頭の中ではこんな事を考えていた」とすれば恐怖倍増。

そして同時に、アーサーにはもともとジョーカーになる素質があったとも思えます。

優しいアーサーでなく、アーサーはもとから狂っていたのだと納得できる。

 

ジョーカーへと変わるきっかけ

アーサーがジョーカーへと変わる”決定的”な出来事って何だっただろうか?母親に関する事実を知った所でしょうか。

確かに色んな事が積み重なった結果ですが、アーサーが30~40年生きてきたモノを覆してしまう程だったのか?

もっと若いころの多感な時期の方が、世の中に対する怒りや、愛されないことに対しての悲しみや、解決できないモヤモヤ、欲求不満が渦巻いていたのでは無いだろうか?と考えてしまいます。

それを乗り越えて、コメディアン(人を笑わせる事)を目指していた優しき男が急に狂ってしまう程だったのだろうか・・・?

 

私はアーサーを観てて、逆にジョーカーにはならないで欲しかったですね。

優しいままでいてくれよ、と。

 

ですので、個人的にはもっとアーサーが”我慢して、我慢して、耐えて、耐えて・・・それでも我慢できなかった”という描写が欲しかったですね。

溜めて溜めて、からの大爆発のカタルシス

例えばマレーをもっともっと嫌な奴ににして、前半からムカつきを溜めて最後のテレビ番組の場面につなげるとか。(ジャンゴのドクター・キング・シュルツ的な)

アーサーの怒りの対象というのがどうも分散されすぎている感じがあるので、アーサーに対する敵の存在がもう少しハッキリしてると共感しやすかったかもなぁ・・・

 

と、私の妄想です。失礼しました。

 

「アーサー」から「ジョーカー」へ

色々書きましたが、赤いスーツを纏った後は、まさしく「ジョーカー」でした。

階段での踊りや、煙草の吸い方、もはやアーサーではない堂々とした振る舞い。

いやぁ、まさしくジョーカー、カッコ良かった!!

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出典:Ratings and Reviews for New Movies and TV Shows - IMDb

 

いやぁ、良いですねぇ。

 

まとめ

というわけで、アーサーにはちょっと共感できなかったですが、それでも見ごたえ充分。

また、ジョーカー側から、後のバットマンである「ブルース・ウェイン達を見るという構図も面白い。アーサーが基本良い奴だから、ウェイン家は嫌な奴に見えちゃいますね・・・。

ヒース・レジャー」のジョーカーは狂気に満ちていて素晴らしかったですがが、ホアキン・ジョーカーはスタイリッシュでカッコいい。

 

次のジョーカー役はきっと相当なプレッシャーを受けるでしょう(笑)

 

まだ観てない人は、なんの情報も入れずに、まっさらな状態で観てほしい。

色々考えさせられる一本でした。

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