ryokamizuhara’s diary

とある書店員の雑記。人間関係の悩みや、書評、映画、そしてBach。5歳女児の父。下手っぴギターが趣味。

グリーンブック 最高に楽しいロードムービー!しかし・・・突きつけられる人種差別


グリーンブック(吹替版)

 

 

2019年第91回アカデミー賞では作品賞、脚本賞受賞!

マハーシャラ・アリ助演男優賞受賞、ヴィゴ・モーテンセンも主演男優賞ノミネートという話題作。

レンタル、吹替にて観賞しました。

 

グリーンブック(2019)

監督:ピーター・ファレリー

脚本:ニック・ヴァレロンガ、ブライアン・ヘインズ、カリーピーター・ファレリー

出演:ヴィゴ・モーテンセン

   マハーシャラ・アリ

   リンダ・カーデリーニ 他

 

 

感想

観る前はアカデミー賞取った、なおかつ人種差別を扱ってるから、まぁ重い話なのかな・・・、と思っていましたが、そこはさすが、「メリーに首ったけ」をはじめコメディを撮ってきたピーター・ファレリー監督!

 

すげぇ楽しい!めちゃくちゃお勧めしたい1本!!

 

流石にテーマがテーマだけにシリアスで、思わず考えてしまう場面はあるのですが、観終わった後は、「楽しかった!!」「観てよかった!!」と素直に思えました。

そして何より実話ベースだというのも驚きで、脚本のニック・ヴァレロンガは、主役の「トニー・ヴァレロンガ」の息子であり、他の作品でも監督や脚本をしているとの事。

 

ファレリー兄弟作品は、結構お下品な表現とかがありますけど、このグリーンブックはそういった場面も無く、誰が観ても楽しめる作品だと思います。

 

ちなみにファレリー兄弟監督作品で個人的に好きなのはこちら。

是非吹替で観てほしい・・・(草尾毅堀内賢雄

 

とにかく楽しいロードムービー

1962年アメリカ。

ストーリーは、とあるクラブで働いている「トニー・ヴァレロンガ」ヴィゴ・モーテンセン)がクラブの改装に伴い職を失い、職探しをする所から始まります。

トニーはがさつで腕っぷしの強い男でギャンブル好き。そして大食い(笑)

ある日、仕事の紹介されて面接に行くのですが、そこにいたのは黒人のピアニスト「”ドクター”・ドン・シャーリ」マハーシャラ・アリ)。

これからクリスマスまでの約2か月間ライブツアーをする為の用心棒兼運転手を探していたのだった。

 

こうして2人の車での旅が始まる。

ヴィゴ・モーテンセン 

そして何よりも一番良かったのは、主役の「トニー・”リップ”・ヴァレロンガ」を演じたヴィゴ・モーテンセン

とにかくヴィゴの演技がこの映画のトーンを明るくしてくれています。

 

この作品を観るまでは、寡黙なガンマンとか、寡黙な剣士みたいなクールでカッコいい。イメージでした。

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出典:Ratings and Reviews for New Movies and TV Shows - IMDb

 

それがグリーンブックでは、とにかくよくしゃべって、表情豊か!!

めちゃめちゃ食べる!そしてお腹も出てる(笑)

すげぇ人間臭い。

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出典:Ratings and Reviews for New Movies and TV Shows - IMDb

 

なんかイメージが反転してしまいましたが、それでもどこかカッコイイ。

この映画を観てヴィゴ・モーテンセンが大好きになりましたね~。

もちろんマハーシャラ・アリも良かったのですが、ヴィゴとの対比で更に際立った感はありました。

 

2人の会話や、やり取りをみてると思わず笑ってしまう場面がたくさんあります。

ケンタッキー州での件はやっぱ笑っちゃいます。

 

あと吹替の大塚芳忠さん最高です。

 

人種や立場の違い

ドン・シャーリーは黒人でありながらも、ピアニストとして成功して裕福な生活をしているが家族はいない。

一方、白人のトニーは貧しいながらも家族や親戚などに囲まれて楽しそうな暮らし。

学があり上品なドンに対し、ガサツで学がないトニー。

物語の序盤は、黒人であるドンの方が白人のトニーを雇うという構図の中、ドンの方が立場が強く描かれています。 

 

しかし南部へのツアーを進めるにつれ、黒人差別の現実が突きつけられます。

「グリーンブック」という黒人が泊まれるホテルが載っているガイドブックを頼りに宿を探さなければならないし。

一歩ホテルを出れば白人から暴力を受け、食事も一緒にできず、トイレも黒人用がある(しかも人が使うとはとても思えない)。

成功したドン・シャーリーでさえそうした扱いを受けなければなりません。

はたして普通の黒人はどんな差別を受けていたのでしょうか・・・。

 

そんな中で二人の距離は徐々に近づき、立場や人種を超えて”人と人”として繋がりが生まれていきます。

 

理想の夫婦

トニーとドンの関係がメインなんですが、この映画で個人的にとてもいいなと思ったのは、トニーと奥さんのドロレス(リンダ・カーデリーニ)の関係です。

子供も二人いてとにかく幸せそうなんですよね。

仕事が決まって2か月帰ってこれなくなった時のドロレスさみしがり様や、「手紙は苦手だ」と言いつつ頑張って手紙を書くトニー、それを読んで喜ぶドロレス・・・。

何というか、至る所に夫婦の愛の強さが現れていて、観てるこっちもなんだかほっこり幸せになります。

 

こんな夫婦になれたらいいなぁ。

今度手紙でも書いてみるか(笑)

 

あと、リンダ・カーデリーニさんはMCUホークアイことクリント・バートンの妻「ローラ・バートン」も演じられてますね。

ベスト奥さん賞受賞です。

 

まとめ

というわけで、さすがアカデミー作品賞を獲っただけあり、老若男女問わず間違いなく楽しめる作品!あと、音楽が好きな方にも。

 

観終わったあと、幸せな気持ちになれる映画。

時期的にクリスマスに観ても良いかもしれません。

まだ観てない方はおすすめです!

 

インタビュー動画もありましたので乗っけときます。

これ見るとヴィゴは痩せてるので、役作りでだいぶ太らせた感じですね。

俳優ってすごい。