ryokamizuhara’s diary

とある書店員の雑記。人間関係の悩みや、書評、映画、そしてBach。4歳女児の父。下手っぴギターが趣味。

『パラサイト 半地下の家族』 正に寄生虫・・・この結末に何を感じるか?


THE PARASITE (パラサイト 半地下の家族/輸入盤)

 

日本では2020年1月より公開され、そして2020年に発表となった第92回アカデミー賞では、なんと「作品賞」「監督賞」「脚本賞」「国際長編映画賞」の4冠!!

非英語作品としての作品賞受賞は史上初の快挙という事です。

 

そんな超話題の作品、観て参りましたので感想です。

*ネタバレありますので未見の方はご注意ください。

 

パラサイト 半地下の家族(2019)原題:寄生蟲

監督・脚本:ポン・ジュノ

出演:ソン・ガンホ、チェ・ウシク、パク・ソダム、チャン・ヘジン

   イ・ソンギュン、チョ・ヨジョン、チョン・ジソ、チョン・ヒョンジュン

   イ・ジョンウン、パク・ミョンフン 他

 

 

感想

率直な感想としては、見応えはあるけど・・・、いまいちピンとこなかったー!

という所です。

前半は”詐欺師”ものでコメディ、中盤からバレるかバレないかの”侵入系”サスペンス。

ラストではタランティーノ顔負けの暴力シーン、そしてラ・ラ・ランド的な〆。

全体を通してとても面白いですし、緊張感も半端ない。

ただ、観終わったあとのなんともいえぬ虚無感・・・。

この映画の「言いたかった事」ってのはなんだったかな~・・・と考えてしまいました。

全体的にシリアスな作品ではあるのですが、実は深く考えずに「そう来たか!」と単純に楽しむのが正解だったかも。

とはいえ、オリジナルの作品としてのアイデアが素晴らしい!

このふたつの家族、シチュエーション、におい、そして地下室・・・!

 

本当に映画好きな人や、映画製作に携わる人達が唸る1本と言えるかもしれません。

 

キム家

主人公となるキム家は4人家族。

父:ギテク

母:チュンスク

息子(兄):ギウ

娘(妹):ギジョン(ジェシカ)

 

4人は半分地下に埋まっているような家に住んでいて、窓からは地上が見える。

スラムのような感じですが、韓国にはこういう地域があるのでしょうか。

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出典:IMDb: Ratings, Reviews, and Where to Watch the Best Movies & TV Shows

 

この一家はみんな無職で収入がなく、ピザ屋の箱を作る内職などをして暮らしている。

ある時、大学浪人中の長男ギウは、友人で大学生のミニョクから、「留学することになったから、その間、自分がやっている家庭教師のバイトを代わって欲しい」、と頼まれます。

で、その家庭教師先というのが、豪邸に住む金持ちの一家の娘。

浪人中のギウは、妹と共に書類を偽造して”大学生”と偽り、採用されることになるのだが・・・。

 

パク家

一方、ギウが家庭教師をすることになるパク家 は4人家族+家政婦。

父:パク・ドンイク

母:ヨンギョ

娘:ダへ

弟:ダソン

家政婦:ムングァン

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出典:IMDb: Ratings, Reviews, and Where to Watch the Best Movies & TV Shows

 

まず初めに登場する母親のヨンギョはとにかく天然なキャラクターで見ていて面白い。

そして騙されやすい(笑)

逆に夫のパクはIT企業の社長、という事もあって神経質そうな性格。ただ、子供たち(特に息子)を愛する良き父親であります。

娘のダヘは恋に恋する高校生って感じで、弟のダソンは過去に”とあるトラウマ”を持ちそれゆえか、変なピカソ風?の絵を描いたりして、すこし変わっている。

 

そしてこの一家の一番の曲者が家政婦

パク家が住む前からこの豪邸で家政婦をしているという怪しい存在。

物語の中盤でその謎がわかるのですが・・・。

 

パラサイト

ギウがダヘの家庭教師になった事を皮切りに、キム家が”全員身分を偽り”、パク家にパラサイトしていきます。

まず、ギウの妹ギジョンは「ジェシカ」と名乗りダソンの美術の先生になります。

そして、ジェシカの作戦によりパクの運転手をクビにさせ、父ギテクが変わりに運転手として雇われます。

最後に家政婦を追い出し、母チュンスクが家政婦になります。

そして・・・キム家全員がパク家にパラサイト完了!!

うむ・・・改めてこのポスターみるとゾッとしますね。

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出典:IMDb: Ratings, Reviews, and Where to Watch the Best Movies & TV Shows

 

と、ここまではとてもコミカルで、ある種痛快でもあります。

オーシャンズ11とか、コンフィデンスマンJPとかそんな感じでしょうか。


オーシャンズ11 (字幕版)

 

そして、狂いだす歯車

順調かと思われたこの作戦ですが、徐々に歯車が狂い始めます。

 

におい

ダソンがギテクとチュンスクのにおいを嗅いで、「同じ”におい”がする」と言います。

この場面のあたりから、バレるかバレないかという緊張感が出てきます。

 

映画で”におい”を意識させるとは、なるほどなぁ、と。

確かに家庭には特有の”におい”ってありますよね。

 

パク一家がキャンプに行った夜

ダソンの誕生日、パク家はキャンプに出かけます。

その間豪邸は留守になり、キム家は誰も居ないのを良いことに、食べたり飲んだりの好き放題をやり始めます。

まるで我が家のように完全にくつろいでいる間、外では雨がどんどん降り始め、次第に豪雨となっていきます。

 

そして鳴るチャイム

突如家に鳴り響くチャイム。

恐る恐るインターホンのカメラをみると、そこにはびしょ濡れで玄関に立つ元家政婦ムングァンの姿が・・・。

中に入れると、地下室へ直行するムングァン。

そこには戸棚で隠されていた通路が・・・

 

更に豪雨の為キャンプを切り上げて突如帰ってくるパク一家・・・。

 

ここから先は緊張感が半端ないですね。

そして結末へむけて一瞬たりとも目が離せません。

 

まとめ

結末を観て思う事は、なんでこうなっちゃったのか、という事。

というのも、よくよく考えてみれば、キム一家は全員めちゃめちゃ能力高いと思うのです。

家庭教師も美術の先生も運転手も家政婦も、やれと言われても普通すぐにうまくはできないもんです。

ただ彼らはそれをいとも簡単にこなすスキルがあり、さらに演技力と度胸がある。

実はまともに生きていたら成功も出来たんじゃないかなぁ、とも思うわけです。

そういう事もあってラストは感慨深い余韻を残します。

それと同時に、結局この映画は何を伝えたかったのだーーーー!?という気持ちにならないわけでもない(笑)

 

そんなわけで、結末は是非ご自身の目でお確かめください!!

 

余談ですが、途中、ベッドシーンならぬソファシーン?があり、家族や恋人と一緒に観ると気まずくなること請け合いですので、一緒に観る相手にはお気をつけください(笑)

 

ポン・ジュノ監督作品はこちら。 


母なる証明(字幕版)


グエムル-漢江の怪物-(字幕版)


殺人の追憶(字幕版)


スノーピアサー(字幕版)