『TENET テネット』細かい事は気にするな!!これぞクリストファー・ノーラン!!
TENET (Original Motion Picture Soundtrack) [Explicit]
2020年、コロナ禍で大作が次々と公開延期される中、
待ちに待った超大作映画『TENET テネット』が9月18日公開されました!!
クリストファー・ノーラン監督の『インセプション』が大好きな私にとっては本当に楽しみにしていた作品です。
正直なところ、考察ができる程理解できていませんので、率直な感想を書いていきたいと思います。
ネタバレはありになると思いますので、未見の方はご注意を!
『TENET テネット』(2020)
監督・脚本:クリストファー・ノーラン
出演:ジョン・デヴィット・ワシントン
ケネス・ブラナー 他
感想
観終わった後の率直な感想は・・・
見応え充分!!これぞノーラン、面白かったーーー!!
でもよくわかんねーーー!!(笑)
です。
巷では賛否両論別れているようですね。
解りにくかったり、ストーリーが薄かったり色々あると思うんですけど、
でも、まぁノーラン監督って前からそうじゃん!!って感じです(笑)
で、私はノーラン監督のやっていることは、一種の”アート”作品に近いんじゃないかな、と思っています。
つまりストーリによって人に訴えかける、というよりは、”映像的”に面白さだったり、”設定的”な不思議さを表現していると思います。
(なので、ストーリーというのはあまり重要ではない)
そして、あえて(だと思うのですが)わかりにくくする事で、観る側の興味を増幅させ、色んな考察のできる余地を残します。
人間が一番興味がわくのって実は「不思議な事・理解できない事」だと思うんですよね。それが本当はどうなっているのか興味があるのだけど、答えが無いから色々考察をしたり、調べたりするわけです。
まぁ、そういった意味で今回の『TENET』はとてもノーランらしくて、色々矛盾もありそうだし、わざわざそんなことする必要ある?みたいなことも沢山あるけど・・・
面白い!!
と言えます。
ノーラン作品について
正直な話、私はノーラン作品は全部が全部好きなわけではありませんし、観ていない作品もあります。
この2作も、ストーリに意味があるか?と言われればそんなに深くない。
設定の面白さと、一見理解ができない作りが特徴でした。
特に『インセプション』は誰もが見る”夢の中”を題材にしていてその中にみんなで入れるという設定が斬新でした。更に夢の中の夢やそれによって変わる時間の流れなど、とっても楽しく不思議な作品です。
『メメント』は記憶が10分しか保てなくなった男の話で、簡単に言えば、実際に起こった出来事を”結末”から進めていく事になります。
これもめちゃ頭が混乱する話です(笑)
逆にいまいちだったのは、『インターステラー』『ダンケルク』。
『インターステラー』は好きな方多いと思いますし、私自身、相対性理論は大好物なのですが、それゆえに自分と解釈が違う所もあったりして・・・
『フォロウィング』『プレステージ』はあまり印象に残っていません。
ダークナイト3部作と言われるバットマンシリーズでは、『バットマン ビギンズ』が一番好きです(笑)
『ダークナイト』はヒース・レジャーが凄かったけど、作品としてはそんなに・・・、『ライジング』はうーん、という感じですね。
『TENET』はどちらだったか
という事で、少し話がそれてしまったのですが、『テネット』は私的には『インセプション』『メメント』側で、好きなノーランでした。
テイストは完全にインセプションでしたし、始まり方も似てる。仲間集めたりする流れも同じ。
そして本作のコンセプトでもある「時間の逆行」はメメントに通ずる所もある。
『インセプション』にハマった人には間違いなくおすすめです!!
(逆にインセプション駄目だった人は駄目でしょうね・・・)
時間の逆行とは?
今作の一番のコンセプト、テーマは「時間の逆行」です。
ただ、これの理屈が良くわからないというのが、映画を難解にしている気がしますし、矛盾も沢山出てきそうな所です。
簡単に言えば、とある装置を使えば「時間を逆に進むことが出来る」。
銃を撃てば弾が戻ってくる、ビルを破壊すれば直る、みたいな事が起きます。
しかも同じ世界で、順行と逆行が同時に起こるので、一方は普通の動きに対し、もう一方は巻き戻しされているように見えます。
映像的にはとても楽しいのですが、頭が混乱してしまう要因です(-_-;)
なので、個人的にはあまり深く考えず、そういうもんなんだと思って観るのがお勧めです(笑)
それでもちょっと考えてみる
いまいち理解が出来なかった点は、
物語の序盤では、”銃を撃って時間の逆行の説明する場面”、あと”ビルを逆バンジーするシーン”では、
「順行世界」において「ある特定のターゲット」に対し、「意図的に時間の逆行を行う」事が出来ています。
・銃を撃つ→弾が戻る
・モノを落とす→手に戻る
・逆バンジーで空中へ飛びあがる 等
なので序盤はこういう”能力”を使う事が出来るのかな、と思っていたのですが、物語が進むと”回転ドア”なる装置が登場する。
そして、この回転ドアを通る事によって時間を逆行する事が出来るという事がわかるのですが、だとするならば、序盤で説明されたあの出来事は一体??
映画内ではエントロピーの説明がされていました。
簡単に言えば、自然の中では”熱いものは冷める”、けど勝手に温度が上がることはない。”高い位置のものは落ちる”、またその逆はない、みたいな話になります。
しかしこのエントロピーを逆にする事と、時間を逆行するという事は別の話になると思います。
つまり、例えば、”撃った銃の弾が戻ってくるという現象”を起こすには、主人公が時間に逆行している状態で銃を撃つ、という行動を順行世界で観察する事によって弾が戻ってきているように見えるはずです。
エントロピーを逆にできる能力があるならば、主人公はわざわざ時間の逆行をする必要はなく、順行世界で特定の物体にだけ現象を起こせばよい、という事になります。
なので、エントロピーの話は無しにして、単純に”時間の逆行”だけにした方が解りやすかったんじゃないかなぁ、と。
(映画内で、逆行世界では重力は影響を受けない、と言ってた割に、熱のエントロピーは逆になるというややこしい事に・・・)
その結末は決まっている?
もう一つの疑問点としては、結末は決まっているんじゃないか?という問題。
回転ドアを使って過去に向かって逆行する際、実はその逆行するスタート地点は、順行してきたゴールなのであるので、逆行するタイミングで結末解っているよね、って事です。
・順行世界
A(スタート) → B(結果)
・逆行世界
B(結果) → A(スタート)
つまり順行世界でBにたどりついた時に、結果解ってるけど、わざわざ時間に逆行しなきゃいけないと矛盾が生じる事になる。
動機としては過去を変えるために、時間を逆行して何かアクションを起こすのだけど、その結果は逆行を始める時にはすでにわかっている、という事になります。
つまり時間を逆行するのって意味なくないかな・・・という気がしちゃいます(笑)
最後の作戦も、実はブルーの逆行組は結末を解っていたはず・・・。
えーいっ、細かい事は気にするな!!!(笑)
魅力的なキャスト陣
今作はキャスト陣も大変魅力的でした。
まず、主役「名もなき男」を演じた「ジョン・デヴィッド・ワシントン」。
出典:IMDb: Ratings, Reviews, and Where to Watch the Best Movies & TV Shows
親父さんはなんとあの「デンゼル・ワシントン」!!
元プロフットボール選手という事もあり、体もがっちりしてますね。
アクションシーンもしっかりこなしてました。今後の活躍にも期待です。
そして次に目を奪われるのは「エリザベス・デビッキ」
出典:IMDb: Ratings, Reviews, and Where to Watch the Best Movies & TV Shows
めちゃめちゃ綺麗で重要な役どころで出番も多いので、見惚れてると物語から置いてかれます(笑)
あと身長が高くてびっくりしますね・・・(190cmだそうです)
そして、観終わった後、断然好きになっちゃうのはこの方!!
主人公の相棒「ニール」を演じた「ロバート・パティンソン」!!
出典:IMDb: Ratings, Reviews, and Where to Watch the Best Movies & TV Shows
確かにイケメンはイケメンなんですけど、それだけじゃない魅力がありますね。
役的には少し地味なんですけど、最後にねぇ・・・良いとこ持っていきます!!(笑)
世間一般では『トワイライト』シリーズが有名ですけど、私は未見です・・・
個人的には『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』の「セドリック・ディゴリー」ですかね。
出典:IMDb: Ratings, Reviews, and Where to Watch the Best Movies & TV Shows
あと、2021年公開予定の「The Batman」での「ブルース・ウェイン」役にも決まっています。こちらも楽しみです。
出典:IMDb: Ratings, Reviews, and Where to Watch the Best Movies & TV Shows
出番は少なめでしたが、『イエスタデイ』の「ヒメーシュ・パテル」、『キックアス』やMCUでクイックシルバーを演じた「アーロン・テイラー・ジョンソン』も出ています。
まとめ
というわけで、色々考察してしまいたくなる映画であることには間違いないんですが、
あまり深く考えずに、不思議な世界を堪能するのが正解なんじゃないかな、と思います。
『インセプション』にハマった人には、間違いなくおすすめの1本ですので、是非ともスクリーン、そしてド迫力の音響で楽しめる劇場に観に行きましょう!!!
音楽も迫力あるサウンドでほんと良かったです。