結婚カンタータ(しりぞけ、もの悲しき影) BWV202
Bach, J.S.: Cantatas Nos. 202 & 209
私はもしかしたら世界で一番この曲を聴いているかもしれない。
というのも、仕事の休憩時間には必ずこの曲を聴いているからです。
それを4年ぐらい続けていますので、約週5日×4週×12か月×4年=約960回程聴いた計算になりますね。(別にそれほどじゃなかったか)
なぜ、そんなことをしているかと言うと、休憩中に瞑想というか仮眠をするのですが、その際にBGMとして聞いています。
曲調がとても穏やかで、歌声も美しく、幸福感をもたらしてくれます。
長さも全部で20分とちょうど良いんですね。
で、ほぼ毎日聴いてるにも関わらず、この曲はまったく飽きることがありません。
バッハの中でも個人的にめちゃくちゃ好きな曲です。
正式名称は「しりぞけ、もの悲しき影(Weichet nur, betrübte Schatten)」なのですが、バッハが親しい知人の結婚式の為に作ったと言われていることから、「結婚カンタータ」と呼ばれています。
カンタータとは?
カンタータ(伊: cantata、独: Kantate、仏: cantate、交声曲)とは、単声または多声のための器楽伴奏付の声楽作品をいう。元来は動詞「歌う(cantare)」の分詞形であり、「歌われるもの」を意味する。
という事で簡単に言ってしまうと”歌もの”になるでしょうか。
バッハは多くのカンタータを作っていますが、その中に「教会カンタータ」と「世俗カンタータ」と呼ばれるものがあります。
教会カンタータは教会で歌われるもので、厳粛な雰囲気なものが多いですが、世俗カンタータはそれに比べればとてもPOPです。
全9曲で、1曲ごとにレチタティーヴォと言われる短い曲(語り、状況説明的な役割を持つ)が挟まっています。
第1曲 アリア『しりぞけ、もの悲しき影』
第2曲 レチタティーヴォ『世は装いを新たにし』
第3曲 アリア『フェーブスは駿馬を駆り』
第4曲 レチタティーヴォ『アモールは満足を捜し』
第5曲 アリア『春風吹き渡るとき』
第6曲 レチタティーヴォ『それは幸いなり』
第7曲 アリア『愛の修練もて』
第8曲 レチタティーヴォ『純粋なる愛の結束は』
第9曲 アリア「満足のうちに思い見よ』
楽器構成はソプラノ歌手一人、オーボエ、ヴァイオリン・通奏低音(チェンバロ・チェロ)とシンプルですが、対位法の音楽ですので聴きごたえあります。
特筆すべきは1曲目の アリア『しりぞけ、もの悲しき影』。
とにかく美しい曲で、ソプラノとオーボエが協奏曲のように掛け合います。
まるで花びらがひらひらと舞っているイメージです。
中盤で軽快なテンポに切り替わり、このパートでは通奏低音がリズムよく奏でられます。低音部がいかにもバッハ的で好きですねぇ。
そして最後にもう一度前半の同じパートを繰り返して終わります。
この曲はまず1回目は全体を、2回目はソプラノパートを追いかけ、3回目でオーボエを、4回目で、通奏低音を聴き、5回目でヴァイオリン、という感じで最低5回は楽しめます(笑)
2曲目以降も明るく軽快な曲がおおいですね。
最後の9曲目は短い曲ですが、切れ味よくスパッと終わり、いい意味で余韻を残してくれ、聴き終わった後に幸せな気分になれます。
個人的にはジョシュア・リフキン盤がおすすめ!
ソプラノのジュリアンヌ・ベアードさんの声も美しいです。
是非、皆さんもお昼の休憩中に聴いてみてください。
もちろん結婚式にも良いと思いますよ。